Canon EOS Kiss DN + EF-S10-22mm F3.5-4.5 USMなめがわおおたき。落差100m。日本の滝100選の一つ。
落差はいろいろと諸説があってどれが本当か分からないので、これ位
あったらいいなという私の希望も入ってます(笑)
まあそれはいいとして、この滝の前に立った時、圧倒的なスケールと
迫力に背筋がゾクゾクしました。その素晴らしさは、今まで見た滝の
中でもトップクラスでした。
この滝のアプローチがちょっと面白い。
そのことについて少々書いてみます。
山形の山奥、滑川温泉の宿「福島屋」から滝への遊歩道が始まります。
一瞬どこから入るのか分からない。いきなり宿が立ちはだかってます。
敷地を行くのが正解。ちょうど敷地の端まで来ると吊橋があり、そこ
を渡って進む。滝までは20分となっています。つまり出だしがすごく
ゆるいのです。なんか湯治客が散歩がてら下駄でもつっかけて滝まで
っていう勢いです。ところが吊橋を渡った瞬間、その幻想は打ち砕か
れます。登山道じゃんこれ(笑) きちんと道は整備されているものの、
いきなり岩ゴツゴツの登り。下駄とかとんでもありません。であとは
展望台まで20分間ひたすらずっと登り(笑)
Canon EOS Kiss DN + EF 17-40mm F4.0L USM展望台到着。とはいってもただ単に少し広くなっているだけの場所で
す。そしてここからこの滝を見ると↑です。左下が滑川大滝。木の葉
が繁っているとほんの一部しか見えません。右上の織り布みたいなの
は布引の滝というそうです。
そして普通の人たちはここで引き返して帰ります。でもそれは本当に
本当にもったいない事なのです。
この展望台の左前方に、下へ降りて行く踏跡があります。看板が立っ
ていて、滝直下へ行けると書いてあります。降りてみます。
Canon EOS Kiss DN + EF 17-40mm F4.0L USM少し降りると展望台よりももう少し滝がよく見える場所に出ます。
でもこの枯れ枝が非常に邪魔・・・
そしてここから更に降ります。温泉宿から展望台まで整備された登山
道と違って、踏跡に毛が生えた程度の急なジグザグ道をひたすら降り
て行きます。木や草が繁っているし根っこもところどころ地面を這っ
ていてすごく歩き難い。
Canon EOS Kiss DN + TAMRON SP AF90mm F/2.8Di MACRO1:1ところどころで大滝を見ることが出来ます。下に行けば行くほど段々
見やすくなって行きます。
Canon EOS Kiss DN + TAMRON SP AF90mm F/2.8Di MACRO1:1布引の滝だけを。落差50mだそうで。
写真を撮りながら降りて行きカッキリ30分。川に突き当たります。
ここで必ず頭に浮かぶのは「ああ、帰りこれ上るのか・・・」(笑)
橋が無いので直接水に入っての渡渉が必要。深いところで膝くらいは
あります。この滝に行くのには軽登山靴が一番いい気がするのですが、
この渡渉だけがどうしてもネックになるんですよね・・・
そして、向こう岸に渡り、上流へ向かって進むのですが、ここからは
もう完璧に道がありません。踏跡も不明瞭。適当に藪を抜けたりしな
がら進みます。そして10分くらい進むと・・・
Canon EOS Kiss DN + EF 17-40mm F4.0L USMこんな感じでついに大滝が見えてきました!
この辺りからゾクゾクしっぱなし。でもこれだと滝の姿は上から見た
時の印象とそんなに変わらないんですが・・・
Canon EOS Kiss DN + EF 17-40mm F4.0L USM近づいていくと・・・
Canon EOS Kiss DN + EF 17-40mm F4.0L USM滝がどんどん太っていく(笑)
Canon EOS Kiss DN + EF 17-40mm F4.0L USMど~ん!! なんじゃこりゃあ。
Canon EOS Kiss DN + EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM正面から見るとこんなとんでもない滝だったのです。
なるほど、横から見ていたから細い優しい印象だったんですねえ。
この変身ぶりにはビックリです。
滝の落ち口の幅は2mくらいなんですが、滝下の幅はなんと50mくらい
になるとか。典型的な分岐瀑(分岐して広がって水が落ちる)です。
Canon EOS Kiss DN + EF 17-40mm F4.0L USM滝前に着いた時、しばらくボーっと見ることだけしか出来ませんでし
た。こんなに滝に圧倒された事は初めてです。落水は穏やかなんです
が、近付くと瀑風と水飛沫がとんでもない。天然のミストシャワーを
思う存分浴びてしばらくすごしました。こんな大瀑布なのに、その気
になれば滝直下まで行って岩盤に直接触れる事も可能でしょう。
Canon EOS Kiss DN + EF 17-40mm F4.0L USM何か観光地化してんじゃねえ?と思わせるスタートからこんな素晴ら
しい展開になるとは驚きました。
この滝の素晴らしいのは、展望台から見たものと直下から見た印象が
全く違うこと。これ、本当に予測できないです。そして滝の本当の姿
の圧倒的なスケール。
そして何よりすごいなって思ったのは、滝直下付近に全く人の手が入
っていないこと。こんな大瀑布のすぐ近くまで行って見上げることが
できるなんて、そんなにないんじゃないかと。手摺とかの人工物など
一切なく自然のまんま。展望台まではちゃんと整備して、観光客でも
軽い気持ちで行けるけど、そこから先はある程度の思い切りがないと
行けないように、殆ど整備されていない。川に橋も架けずに、行きた
ければお好きに~、といわんばかり。これってワザとこういう風にし
ている気がします。ほんの少しの手間を惜しまなければ、素晴らしい
プレゼントがありますよって。こういうところを整備している方々は
どのような人たちかは分からないけれど、もしそういう意図があった
ら素晴らしいことですよね。願わくばずっとこのままの状態を維持し
て欲しいです。
何かとんでもない長文になってしまいました。
多分興奮気味だったんでしょう(笑)
撮影地:山形県米沢市 2008/05/26